斉藤さんとの帰り道を、頭の中でシュミレーションしてたら、バイト中失敗ばっかり……

あたしの頭の中は斉藤さんでいっぱい……




「じゃあ行こうか♪」



斉藤さんの家は、うちから歩いて15分くらいの所。



桜からは斉藤さんの家の方が近い。



「あれっ?こっちうちの方ですよ?」



斉藤さんが進んで行くのは桜からうちまでの近道。


「結華ちゃんちまで送るに決まってるでしょ~!」


「すいませんっ」


ってあたしそれ狙いみたい……

まぁ、ちょっと期待してたけど。







「ここ…ちょっと話しませんか?」


そう言って途中の公園を指差すあたしは、斉藤さんの目を見れず、公園のブランコに視線をのばした。



「またキスでもしちゃう?」


ほんと斉藤さんって平気で言えちゃうんだから。

子供だってからかわれてるのかな。


「もうっ!!」


冗談だってわかってても、またすぐに顔が熱くなる。