「ん………」


「おはよう」


あたしはあの日と同じ、暖かい直輝の腕の中で目を覚ました。


ううん。あたしはあの時よりずっと、直輝を暖かく感じていた。



「おはよう」


くしゃくしゃのシーツ
カーテンの隙間からもれる日差し
背中には直輝の手の温もり



「結華……何度も言うけど……俺は結華が好き。」


「そんなのうそ…」


「結華と初めて会ったあの日から……」


「…………」


「……どうしたらわかってくれる?」


「…………」


「これからもこうやって会えないかなぁ?」


「…………」



………信じてもいいの?








「………一緒に住まないか?」


「えっ?」


あまりに思いがけない直輝の言葉



「そしたら少しはわかってくれる?」


「…………」


「それとも結華は俺の事、何とも思ってない?」


「そんなこと……!」


………そうだったら良かった………



「だったら……だったらここにいて……いてほしいんだ。」



「いてもいいの……?」



直輝のそばにいたい。


ずっと触れていたい。




心のブレーキは壊れてしまったみたい。






あたしの想いは



過去を置いて明日へ……



直輝との明日へ………



「本当に、本当に、結華を愛してる。」



前に一歩歩き出した。










あたし、直輝が好き。