有名男子・秘密彼氏

私の動きはドアノブを握りしめたままの状態で止まっていた。


どうしよう…

『大っ嫌い!』って、聞かれちゃったかな。


私の心は罪悪感と後悔でいっぱいだった。



「和哉!その女と付き合ってるの!?」



黒髪ストレートの女が要の所に近付いてきてそう言った。


…本人の前でも名前で呼んでるんだ。



「は?んなわけねーだろ。」

「…だよね…!良かったぁ。昨日一緒に帰ってたって聞いて。」

「たまたまだよ。」



要がそう言うと女は先程までとは全く違う、満面の笑みを見せた。



何よ…あんた彼女でもないくせに。

まるで要の彼女みたいな事言って。


私が要の立場だったら絶対『彼女ずらすんな』って思うと思う。


そんな事を考えていたら、要が嫌に低い声でこう言った。



「俺がこんな女と付き合うかよ。」