ゆん坊

“今帰るとお母さんがいるかな… どうしよう…”




まだ学校の下校時間ではなかった




お母さんが心配する…





道を歩きながら考えた






“僕…どこにも行くところ…ないな…”





道の横でしゃがんだ





ガードレールを背もたれにして、目の前に行き交う車を眺めた






“……お母さん …おじさん… ゆん坊”





下校時間が来るまで僕はずっと道に座っていた







スゴく時間が過ぎた気がした






“…そろそろ大丈夫かな…”





デジタル時計は無い





学校に行く時は、お母さんに置いていくように言われている





僕は家に向かって歩き出した