微かに人の気配を感じ、歌うのを止める。 空を見ながら呟くように問いかけた 「……だれ。」 いつまでも返事がないため仕方なく振り返る そこには悲しい顔をした、先日傷の手当てをした男がいた。 「…お前、泣いてるのか」 涙は出ていないのに、聞かれても返答の仕様がない。 「……泣いたように歌うな。」 まるで気持ちが伝わったかのように、切なそうに喋る、 私はなにも答えずにいる 「…絶望しか見えないお前の目には世界がどうみえる。」 静かに、囁くように私に答えを促してくる。 .