「ふぁーっ!寒い寒いっ」
邪魔な髪を耳にかけて、あたしはガラっと教室へと入った。
誰もいないと思った教室には、1人栗色の髪の毛をした男子…が、机にうつ伏せていた。
「わ…寝てる…?」
あたしは、その人の顔を覗き込んだ。
「っ!?」
あの人だった。
雪の中、あたしが子犬に牛乳を上げているときに、こっちをじっと見てた人。
あたしが、雪に足が填まって転びそうになったとき、助けてくれた人。
多分、本当は心優しいんだろう、そう思えた人。
そして…。
生まれて初めて、ドキドキした人だった。
だけど…
貴方にあった第一印象は最悪。
言葉遣いも悪く、態度も悪いし不良。
そんな性格と直せたら、本当にいい人になるだろう…そう思った。
