『お腹がすいたら、
 ごはんを食べる。
 それって当たり前
 のことじゃないの?
 
 朝、昼、晩、
 ごはんを食べる。
 それっていけない
 ことなの?』


「悪い子はね、死ねばいいのよ!!」

アリナの傷だらけの心は、壊れてしまった。

何も考えられず、ただ自分に残っているのは「死」だけなのだと感じた。

死ぬつもりで家出をして、その時に社長に出会った。

アリナは今、壊れた心の
カケラを拾い集めている。

「これ全部読んだの?」

久しぶりに顔を見せた社長が、積上げてあった雑誌を指差して言った。

アリナは過去3年分の
雑誌を読んでしまった。

「どうだった?」

「楽しかった。」

アリナは笑って言った。

今の若い子なら、毎日1日中部屋で雑誌を読んでいても、楽しいと感じることはないだろう。

きっといつかこの子は、輝く場所へ羽ばたいていく・・と社長は思った。