Queen Story

「リストバンド外した方がいいと思いますよ。

ポスター撮りの時も外していただきたいのですが・・。」


それは何気ない一言だった。

「ミウ??」

アリナはミウを見て驚いた。

顔が真っ青になっていた。

「ごめんなさい・・。
あたしこの仕事できません。」

ミウはそのまま社長室を飛び出した。

「ちょっとミウ?!」

アリナは慌ててミウを追いかけた。



息を切らしながら、アリナは背を向けたままのミウに聞いた。

「どうしたの?」


ミウは何も答えない。

酷く怯えているような、小さな背中を見つめることしかアリナにはできなかった。



「あたし自分がこんなに弱い人間だなんて思わなかった・・。」


消えてしまいそうな声。


ミウはそっとアリナの方へ振り返り、リストバンドを外した。