これで、いいんだ・・
社長は自分に言い聞かせた。

「私とアリナは家族になったけれど、
私を「お母さん」なんて呼ぶ必要はないの。

私は私、アリナはアリナ。

そうやって別々の道を生きていく。」

アリナはまだ現実を受け入れられずにいた。

「でもね・・家族なんだから、困ったことがあればいつでも、頼ってきなさい。」

社長の優しい笑顔が、アリナを守るように包んだ。

心は、温かくなって元の心の温度に戻ろうとしていた。