Queen Story

「傘ありがとね!」

これはケイスケに言ったつもりだった。

ミウとケイスケはアリナに手を振り、相合傘をして歩き出した。

ミウは腕で絡ませ楽しそうにケイスケに話かけている。

いつも以上に寄り添ってみえる二人。

結局アリナとケイスケは言葉を交わさなかった。


アリナは去っていくケイスケの後ろ姿に「好き」と小さく呟いた。