次から次へと降りかかってくるアクシデントに頭を抱えたくなってくる。

その時だった。

『永瀬恭一!』

突然病院内のスピーカーから男の声が流れた。

院内放送。

患者の呼び出しや業務連絡の際に使われる放送だ。

それを誰かが…恐らくは武装グループの一人が使用しているらしかった。

『たった一人でこの病院に乗り込んできて、俺達の仲間を次々とやってくれて…ハリウッド映画の主人公気取りか?えぇ?』

雑音混じり、時折ハウリングまで起こして、院内放送は病院の中に響いた。