そんな中、俺はというと、階段を昇って2階から3階へと移動していた。

…足取りは重い。

八戸の蹴りを食らった腹部が痛む。

うち身や打撲の類だろうか。

Tシャツをめくると、腹は内出血しているのか、赤紫色に変色してしまっていた。

彼女とのやり取りの最中、折角入手した銃も失ってしまった。

まるで手も足も出せなかったという事実。

想像以上に手強かった八戸。

思った以上に人質解放と犯人の制圧は、困難なようだった。