ナースステーション内を覗き見る。

ここに犯人の見張りはない模様。

それでも警戒を怠る事なく、忍び足で侵入する。

周囲の気配に気を配りつつも、俺は書類を手当たり次第に調べ、その中から入院患者名簿というものを発見した。

現在この病院に入院している患者の事細かなデータが記載されている。

…結構な数だ。

この人数ならば、動ける患者や医師、看護師は相当広い部屋に集められ、犯人によって監視されているに違いない。

その他の重病、重傷の患者に関しては、各病室に置き去りにされたままらしいが…。

俺は名簿のページを手早く捲っていき。

「……!」

思わず手を止めて目を見開く。