「さてと」

俺は犯人に銃を突きつけたまま言う。

この状況を利用しない手はない。

「お前らの人数は?人質は?目的は何だ?」

いまだ明かされていない武装グループの構成人数、要求。

俺はそれらを犯人から直接聞きだそうとしていた。

「っ…馬鹿が」

しかし犯人もプライドがあるのだろう。

簡単に口を割ろうとはしない。

「聞かれておいそれと聞きだせると思ったか?」

成程。

この犯人が言うのも尤もな意見だ。

「確かにな。お前がそう簡単に警察に尻尾を振るような腰抜けとは思えない…少し過小評価していた。謝るよ」

そう言って、俺は犯人の額に銃口を押し付けた。