Dangereuses hospital

現場の状況を一通り説明した上で、森脇隊長が俺達の顔を見る。

『どうする?』と言わんばかりに。

「そうだな」

六道さんは電話設備の備えられた、警察車輌へと足を踏み入れた。

「まずは交渉(ネゴシエーション)だな。犯人と直接接触して、連中の目的を知りたい」

受話器をとり、六道さんが電話をかける。

勿論かけているのは病院内。

犯人が立て篭もっているのだから、電話に出る筈だ。

…数回のコール音。

その後。

『誰だ!』

血走った眼が容易に想像できそうな、野太い声が警察車輌内のスピーカーから聞こえてきた。