警視庁公安部の捜査は政治犯やカルトなど特殊な対象の為、殆ど機密に包まれている。

通常は、監視対象団体の集会の監視や構成員を尾行する行動監視が多い。

構成員を饗応して協力者に仕立て上げ、情報を収集する事もある。

対象とする犯罪も特殊なだけに、事件発生後に捜査するのではなく、不審な対象を発見した場合は先行して見込み捜査に入る。

つまり事が起きる前に対象者を抑える事が任務な訳だ。

俺の配属された外事四課というのは更に特殊で、事が起こった後にも事件に介入する。

本来ならば各都道府県の警察、更にはSAT(特殊急襲部隊)の任務であるテロリストの制圧にも首を突っ込める。

国際テロ犯罪を未然に防ぎ、発生後の処理も担当する。

それが外事四課だった。