Dangereuses hospital

為す術もない。

格闘でも、恐らく射撃でも。

超一流のテロリストである八戸に、俺は敵わないだろう。

この場で撃ち合いになった所で、傷を負わせるのが精一杯。

その傷と引き換えに、八戸は俺を射殺する。

「…新米にしては私をよく追い詰めた方。誉めてあげる」

銃口を向けたまま、ゆっくりと下がる八戸。

みすみす逃がすしか手はないのか…。

しかし!

「!!」

突然の銃声。

同時に八戸の手を弾丸が掠め、彼女の握っていたアンプルが屋上の床を滑るように転がっていった。

一瞬焦ったものの、流石に天然痘ウイルスの入ったアンプルは特別製なのか、床に落ちても割れる事はなかった。