とりあえず、休息できる場所を探そう。少し休んで行動しないと、頭が回らずに無駄に走って体力を消耗しそうだ。


「親父……」


考えないようにしているのに、自然と涙が溢れてくる。ギュッと堪えるルイ。


「許さねぇ……」


怒りに満ちた顔で歩いていた、そのときだった。


ドーン……


遠くの方で、何やら光が見えた。まるで、魔法のような光。


「まさか……」


ルイは血相を変えると、光った場所へ全力疾走した。


「!」


居た。


拓馬だ。


住宅街から少し外れた道の、林に囲まれた狭い荒地のようなところでダークソルジャーと戦っている。どうやら苦戦しているようだ。


ルイの心臓が高鳴り始める。


今、すぐそこに拓馬が居る。


ここが勝負だ。この説得に、全てがかかっている。


「ボルガノン!」


ルイはダークソルジャーの背中に魔法を撃ちこんだ。炎は瞬く間にダークソルジャーを包み、一撃で倒した。


一瞬の出来事に、唖然としている様子の拓馬。


「拓馬!」


ルイの呼び掛けに、ビクッと反応する拓馬。怯えている様子だ。無理もない。1章のときは、敵同士だった。