現実RPG2

「ライトニング」


それと同時に、拓馬の手のひらから光の弾が剛速球で飛んでいく。


光の弾は、木にぶつかると激しく爆発を起こした。


当たった木は、粉々に砕け散っている。


手を広げたまま、呆然とする拓馬。


「ね?使えるでしょ?」


笑顔で拓馬に言うルカ。


「ホントだ……」


そのときだった。ルカと拓馬の前方に、人影が見える。さっきの、ミイラ男だ。


「ちょうどいいところにモンスターね。あなたの魔法の威力、見させてもらうわ」


と、その場に座り込むルカ。


「ちょっと待てよ、アイツは不死身だぞ。ルカに会う前、戦ったんだ」


「大丈夫。ミイラは防御力が半端無いだけよ。魔法を使えば、倒せる」


「そうなのか?」


拓馬は手のひらをミイラ男に向けると、言った。


「ライトニング」


再び、拓馬から光の弾が飛ぶ。


弾はミイラ男の腹部を貫いた。


ミイラ男は、お腹に半径10センチくらいの穴を開けたまま、こちらに向かって歩いてきている。


「おいおい……」


さっきのミイラ男との戦闘が蘇り、震え出す拓馬。


ダメだ、倒れねぇ……コイツ、やっぱり不死身だよ……


「相手によって、魔法は選らばなくちゃダメだよ」


と、ルカが話し掛けてくる。