現実RPG2

「竜太はね、『正面戦士』なの。文字通り、正面からの敵に対しては無敵。誰も敵わない。だから、まずあなたを家に潜入させた。こうすることで、竜太は困惑する。自分たちが探していた人物が、目の前に現れたんだからね」


「何でわざわざ困惑させる必要があるんだよ?ルイがもう家を出てたんだから、お前が直接ルイに化ければいいだけの話じゃねぇのか」


「竜太はね、目で見ただけでその人物が本物かどうかわかるの」


「え?」


「だからこそ、まずあなたを潜入させた。当然、竜太はわかる。あなたは、間違いなく本物の拓馬だった。死に物狂いで探していた拓馬が尋ねてきたことに、竜太は困惑したはず。だから、その次に現れたルイが、偽物だとすぐに判断できなかった。だから、私の言葉で簡単に背後を見せた。あなたに作戦をちゃんと伝えなかったのは、ルイを見たときのリアルな絶望を、竜太に伝えたかったから」


「なるほど、だいたい作戦は伝わったけど……それって失敗の可能性もあったんじゃねぇの?竜太が困惑しててもすぐにお前をルカだと見抜いていたらどうしてたんだ?」


「他に方法がなかったの。こうするしか、竜太の背後をとることなんて不可能よ」


固いこと言うな、と言った表情のルカ。


失敗していたら、あの場で二人とも殺されていた。


何て強行突破な女なんだ……危険な奴だ。命がいくつあっても足りない。


でも、とにかく竜太が倒せた。これで、二章クリアはルカさえいればほぼ確定だ。


なんせ、ルイの数倍強い竜太を倒せたのだから。多分ルイは、ルカには敵わないだろう。