現実RPG2

「お気の毒に……」


思わず、拓馬からそんな言葉が出た。リアル過ぎた。悲しみの表情が、まるで人間だ。


……まてよ。本当に、竜太やルイはゲームの登場人物なのか?


確か一章では、ゲームの世界の人間は一定の行動しかできなかった。今回の警察官やコンビニの店員も、同じだった。


でも、ルイや竜太だけは普通に話せた。


もしかしたら、コイツ等は人間……?俺と同じように、人間だけどゲームの中に入りこんだっていう可能性もある。


一体、コイツ等の目的は何なんだ……?


この竜太の悲しみの表情。これが、人の手で造られたモノとは思えない。人そのものだ。


「思い出すのが辛ければ、答えなくて結構ですが……一体、誰が奥さんを……?」


「ある組織だ」


竜太がそう言ったと同時に、玄関の扉が勢いよく開いた。


そこに立っていた人物に、拓馬は凍りついた。


ルイだ。ルイが、帰ってきた……。


終わった……ルカは一体何やってんだよ!


そのとき気づく、最悪の事態。


しまった……ルカに、嵌められたのか……


もし、ルカとルイが、仲間だったとしたら。何で、俺はそう考えなかった!


自分の考えの甘さに、悔やし涙が溢れた。


「親父、ちょっと向こうの部屋に行っててくれ。拓馬と二人で話したい」


ルイが冷静に言う。その言葉に、竜太は背を向けて部屋を出ようとした。


そのときだった。


ザン!