現実RPG2

「真っ向から戦っても、まず勝てる相手じゃない。だから、罠で倒す」


「罠?」


「そう。確かさっき、竜太が匿ったって言ったよね?」


「ああ」


「だとすると、竜太は拓馬の味方を演じている可能性が高い。それを逆に利用する」


「なるほど。でも、どうやって……」


「簡単だよ。拓馬、あなたはただ、まだ騙されてるフリをして竜太に接近してくれればいい」


「それだけで、どうやって倒すんだよ?」


「まぁ見てて」


ルカはそう言うと、拓馬をマンションへと促した。


言われるがまま、拓馬は一人で竜太のマンションへと入っていく。


「……」


竜太の家のドアの前で、立ち止まる拓馬。


再び恐怖が身を包む。これから拓馬は、ルイの何倍も強い相手を騙そうというのだ。


もしバレたら、抵抗する間もなく一瞬で殺される。


「ホントに大丈夫かよ……」


そう呟きながら、覚悟を決めてインターホンを押した。


しばらくすると、竜太がドアを開けた。


「おや、拓馬君。用事は済んだのか?」


「はい」


嫌でも笑顔が引きつる。声が震えないように、必死に平静を装った。


「まぁ、入りなさい」


と、竜太が部屋の奥へと進む。拓馬も、竜太の後に続いた。