現実RPG2

「どうなってんだ……」


後ずさる拓馬。その拓馬に、爆笑するルカ。


「アハハハ。そんなに驚かないでよ。魔法、『ミラーロック』だよ。いわゆる、分身の術」


「そうなの?」


それならそうと早く言ってくれ。心臓が止まるかと思った。


「この拓馬の分身を使って、まずはルイを誘き寄せる」


「どうやってだよ?」


「こうやってだよ」


ルカのその言葉が終わると、拓馬の分身はマンションの近くへと足を運んでいった。


それにしても、見た目は拓馬そのものだ。オマケに、クロまで抱えている。鏡以外で自分の姿を見るのは、何だか不思議な気分だった。


拓馬の分身がマンションの近くで立ち止まると、しばらくして体全身をビクッと反応させた。それからすぐ、どこかへ全力疾走していく。


「何してるんだ、アイツ?」


ルカに聞く拓馬。


「まぁ見てて」


ルカがボソっと言った瞬間、マンションの中からルイが血相を変えて飛び出してきた。


なるほど。ルイは拓馬を見つけて、目の色変えて追っかけて行ったってことか。


「さて、拓馬。ここからが重要だよ」


「重要って?」


「今から、竜太との戦闘を開始する。だけど、竜太は強い。ルイの数倍は強い」


その言葉に、愕然とした。


あのルイより、数倍も強いだと……?