現実RPG2

「おそらく、何かされてるだろうね。詳しくはわからないけど」


どうやら、ルカはゲームに関してあまり詳しくはないみたいだ。


「ルカは、なんでこのゲームに参加してるんだ?」


そう尋ねると、ルカは沈黙した。


しばらくすると、ボソッと言った。


「今は答えられないよ。だけど、信じて。私はルイのように、あなたを裏切ったりしない。私の目的はお金じゃないけど、あなたと同じで、ルイを倒す必要がある」


「そっか」


よくわからないが、何か深い事情がありそうだ。話したくないことのようだから、そっとしておこう。拓馬にしても、クリアさえすればいい。


しばらく歩くと、竜太の家が見えてきた。


「あのマンションの三階だ」


家の中は、電気が点いていた。


遠くてよくわからないが、中には男の人影が二つ見える。多分、竜太とルイだろう。


「よし、じゃあ、作戦開始!」


と、ルカは両手を広げると、呪文を唱えた。


「うん?何してるんだ、ルカ?」


「ミラーロック」


ルカがそう言った瞬間、拓馬の目の前に驚く人物が立っていた。


「え……」


息を呑む拓馬。


俺だ。俺の目の前に、俺がいる。