思わず呟く拓馬。呆然と立ち尽くす拓馬に、今度はミイラ男の拳が飛んできた。


ドン!


鈍い音と共に、拓馬の左頬にヒットする。


「ぐっ……痛ぇ……」


拓馬は歯をくいしばると、再び攻撃に出た。


「おおおお!」


一度目、二度目に攻撃したときより、目に見えて勢いは落ちていた。


パンチ一発でも、だいぶ振りかぶらないと威力が出ない。


「フゥ、フゥ……」


荒い呼吸を繰り返しながら、何度も何度もミイラ男を殴りつける拓馬。


ヒザ蹴りを顔面に喰らわせたとき、やっとミイラ男は倒れた。


「ハァ、ハァ……」


だんだん、不安になってくる拓馬。


立つな、立つな……


しかし拓馬の期待とは裏腹に、ミイラ男はまたしても、平然と立ち上がった。


「何でだよ……」


理由は、すでになんとなくわかっていた。


おそらく、コイツは不死身。


思わず、嘔吐しそうになった。喉がカラカラ過ぎて、唾すら口の中にない。体力を使い過ぎた。


泣きたくなってきた。ヤバイ。殺される……


そのとき、再びミイラ男の攻撃がきた。


ドン!


勢いよく、腹部を殴られた。


「うぅっ……」


目を大きく広げる拓馬。強烈に痛い。


そうだ……そう言えば、ボーンナイトに腹部を攻撃されていたのだった……おそらく、そのダメージが残っている。


お腹を両手で押さえ、両膝をつく拓馬。