現実RPG2

「おおおおおぉ!」


雄たけびと共に、ミイラ男に殴りかかる拓馬。


拓馬の右拳が、ミイラ男の頬にヒットする。


すかさず、左拳をアゴに喰らわせた。次に、また右拳をミイラ男の腹部へめり込ませる。そして左拳で頬を殴ると、右足でわき腹を思い切り蹴った。


拓馬の猛攻に、ミイラ男はその場にバタリと倒れ込んだ。


「何だこいつ、弱い……?」


良かった。これなら勝てそうだ。


ミイラ男は再び立ち上がったが、あまり恐怖は感じなかった。


「お、タフな野郎だな」


拓馬はニヤッとすると、再び猛攻を繰り広げた。


ガン!ガン!ガン!


まさに、ボコボコ。1分もの間、拓馬はミイラ男を殴り続けた。


ミイラ男は再び倒れると、動かなくなった。


「ふぅ……」


意外に疲れる。戦闘が始まってから3分程度しか経っていないのに、バテバテだ。


こんなことを、ボクサーなどは数ラウンド続けるのか……テレビでボクシングの試合を見ていると、ラウンドが進むにつれて選手の体力が失われ、ダラダラと試合をしている。


そうなってくると見てるこっちも面倒くさくなってくるが……こんなに疲れるものなのか。やっぱりすごいんだな。


拓馬はクロを抱えると、倒れたミイラ男に背を向けた。


しかし歩き出そうとした、そのときだった。