現実RPG2

安心したら、今度はお腹が減ってきた。


拓馬は再びコンビニに戻ると、食料を調達することにした。


レジに行って、注文する拓馬。


「えーっと、パンとおにぎりをくれ」


「5万円になります」


ハンパなく高い……が、金より命の方が惜しい。今は体力を作るほうが大事だ。


拓馬は金を払うと、パンを食べながらおにぎりをポケットにしまった。


コンビニを出ると、再び駐車場に座りこんだ。


「お前も食べるか?」


と、くわえたパンを少しちぎって犬にあげる拓馬。


クチャクチャとガムを噛んでいるような音を立てながら食べる犬。


「美味そうに食べるな、犬」


パンを食べ終わった犬は、拓馬の顔をジッと見ている。


「何だよ、まだ欲しいのか?腹減ってたのか、お前?」


また少しちぎってあげる拓馬。ケホケホと咳をしながら、慌ててパンを食べる犬。


「アハハ。慌てて食うからだよ」


微笑みながらそれを見ている拓馬。


ホントに、生きものと一緒って……心強いな。


「そういえば、名前付けてやらねぇとな。そうだな……」


考え込む拓馬。動物を飼ったことがない拓馬には、名前をつけたりしたことがない。


「ごめん、何も思い浮かばない。黒いから、クロでいい?」


返事はないが、嬉しそうにしっぽを振っている。良いってことかな?