未だ人影は見えない。完全におかしい。
そのとき思う、一つの事。もしかしたら、もうどこかゲームの世界へ飛ばされているのかもしれない。現実の世界そっくりな、ゲームの世界に。
もしそうなら、警察署なんて行っても警官がいないだろう。
でも、そうなれば逆に希望もある。もしここがゲームの世界なら、どこかに武器屋があるかもしれない。そこで武器を買えば強くなるし、そうなれば戦うことも出来る。
しかし、その考えは一瞬のうちに解決した。
トイレに行きたくなってきたのだ。確かゲームの中なら、お腹も空かないし、トイレにも行きたくならなかった。
つまり、ここはやっぱり現実世界。武器を持ったところで強くなれない残念な気持ちと同時に、警察がいるという喜びの気持ちも湧き上がり、複雑な気持ちになった。
拓馬は公衆便所で用を足すと、再びトボトボと警察署へ向かって歩いた。
もうどのくらい歩いただろうか。多分、30分は歩いている。
その時間経過と疲労のせいか、緊張の糸が緩くなってきた。
辺りもだいぶ暗くなり、視界が悪くなってきた。
そのとき、前方に犬が一匹、拓馬の前を横切った。
「お、犬?」
警戒する拓馬。ヤバイ。モンスターかもしれない。
毛色は黒の、チワワのようだ。この大きさなら、モンスターでも勝てるか……いや、子猫のように、怪力のはずだ。ダメだ……
しかし、犬は拓馬に目もくれず、通り過ぎて行った。どうやら、普通の犬だったようだ。
「なんだよ、犬はいるのか?」
人はいないのに、犬はいる。どうなってんだ……
その矢先だった。犬のせいで、完全に油断していた。
そのとき思う、一つの事。もしかしたら、もうどこかゲームの世界へ飛ばされているのかもしれない。現実の世界そっくりな、ゲームの世界に。
もしそうなら、警察署なんて行っても警官がいないだろう。
でも、そうなれば逆に希望もある。もしここがゲームの世界なら、どこかに武器屋があるかもしれない。そこで武器を買えば強くなるし、そうなれば戦うことも出来る。
しかし、その考えは一瞬のうちに解決した。
トイレに行きたくなってきたのだ。確かゲームの中なら、お腹も空かないし、トイレにも行きたくならなかった。
つまり、ここはやっぱり現実世界。武器を持ったところで強くなれない残念な気持ちと同時に、警察がいるという喜びの気持ちも湧き上がり、複雑な気持ちになった。
拓馬は公衆便所で用を足すと、再びトボトボと警察署へ向かって歩いた。
もうどのくらい歩いただろうか。多分、30分は歩いている。
その時間経過と疲労のせいか、緊張の糸が緩くなってきた。
辺りもだいぶ暗くなり、視界が悪くなってきた。
そのとき、前方に犬が一匹、拓馬の前を横切った。
「お、犬?」
警戒する拓馬。ヤバイ。モンスターかもしれない。
毛色は黒の、チワワのようだ。この大きさなら、モンスターでも勝てるか……いや、子猫のように、怪力のはずだ。ダメだ……
しかし、犬は拓馬に目もくれず、通り過ぎて行った。どうやら、普通の犬だったようだ。
「なんだよ、犬はいるのか?」
人はいないのに、犬はいる。どうなってんだ……
その矢先だった。犬のせいで、完全に油断していた。


