現実ＲＰＧ２

外に出た瞬間、一目散に走り出した。これ以上竜太と一緒にいると、何をされるかわからない。


ましてやマネマネとなると、その実力は知っている。確か、銀の剣を持つ拓馬の攻撃を止めた。実力は、ソルジャーの少し下くらいだろう。


どのみち、生身の人間が敵う相手ではない。


マンションの外へ出ると、すでに息が上がっていた。


恐怖から、体力がすぐに奪われる。これから、どうしようか……とりあえず、警察に行くしかないか……


しぶしぶ歩き出す拓馬。その背中に、竜太のマンションから大きな声が飛んできた。


「おーい、拓馬君？どこ行くの」


全身の毛が逆立った。


振り返ると、竜太が家の中から呼び掛けてきている。


「急用ができました。これで、失礼します」


ペコリと頭を下げて、そう返す拓馬。その震えた声に、竜太は笑顔で返した。


「そうかー。残念だ。まぁまた、いつでも来なさい」


そう言って、手を振ってくる竜太。


まだ良い人を演じているのか、それとも諦めたのかはわからないが、追ってくる様子はない。


拓馬はもう一度頭を下げると、竜太を背にして走り出した。


「ハァ、ハァ……」


３分程走ると、拓馬は再び歩き出した。


「ふぅ……」


さっきから心臓のドキドキが止まらない。


モンスターに遭ったら即死の状況だ。無理もない。


とにかく、ひたすら警察署を目指した。