現実RPG2

願った、そのときだった。


拓馬も、上空に手をかざし、叫ぶ。


「ホーリーレイン!」


……なるほど。ギガフレイムとホーリーレインを同時に出せば、当たるかも……!


「行け!ギガフレイム!」


無数の光の雨と同時に、小さな太陽は猛スピードでマーダーへと突っ込んだ。


まさに、マッハのごとく。


その速度は、とても目で捉えられなかった。


ドーン!


小さな太陽はマーダーの下で爆発を起こした。


すさまじい熱気と砂埃が宙を舞い、視界を潰した。


「ハァ、ハァ……」


撃った後、ルイに圧し掛かる強烈な疲労。


ギガフレイムの、副作用……。


「ぐっ……ぐっ……」


全身が麻痺したように硬直し、立っているのがやっとだった。


足も、感覚がない。肺も痺れ、呼吸がしにくかった。


それでもルイは、じっとマーダーの居た場所を見つめた。


だんだんと薄れていく砂埃の中に、絶望がそびえ立っていた。


「ちくしょう……」


マーダーは、微笑したまま立っていた。


どうやって避けたのかもわからなかった。


もうダメだ……動けねぇ……。


「ウフフ。なかなか無茶なことするわね」


クスクスと笑い続けるマーダー。


その笑い声は、もはや恐怖でしかなかった。


ふと、拓馬に視線がいく。