現実RPG2

「ギガフレイム、でしょ?」


そのマーダーの言葉と同時に、ルイは絶望した。


何故……なんで、知ってるんだ!


「ウフフ。炎魔法、ギガフレイム。半径50メートル程の巨大な円形を描き、その温度は2000度にも到達する。当たった者を焼き尽くし、蒸発させるほどの威力を持つギガフレイムだが、その強大な力を抑えることができず、一度撃てば、撃った本人が死ぬ恐れもある諸刃の魔法」


全てお見通しか……!


ここまでとは……。


負ける。甘く見すぎた。


コイツは、考えを読む程度じゃない。


持っている知識全てを覗いてくる。


「また、ギガフレイムは発射の準備に、2秒要する。だから、拓馬君に気を反らせたかったのね。だけど、残念。私は、超スピード。1秒で1キロメートルを移動できるのよ。あなたが言ってたんでしょ?私はホーリーレインでも避けられるって」


くそっ……くそっ!


「おい、どうすんだよ……ルイ……」


拓馬から不安の声が上がる。どうしようもない……。


「撃て、ルイ!やるしか、ねぇ!」


拓馬の必死の叫びに、ルイは再び戦意を取り戻した。


そうだ。やるしかない!


「おおおおおお!」


雄たけびと共に、天空に小さな太陽のような炎の弾を作るルイ。


ナメるな……ギガフレイムは、雷のように速い!


頼む、当たってくれ!