現実RPG2

ルイと拓馬は入り口の中庭を突き当たりまで進むと、茶色の古びた建物へと入って行った。


中は薄暗く、ギシギシと、歩くたびに床が音を立てた。相当痛んだ木造だ。


しばらく歩くと、二階へと上がる階段がある。


二人は、とりあえず二階へ上がった。


階段を登りきると、一本の長い廊下が広がる。


両側に、襖が均等に配置されていた。


次第に、ルイと拓馬の心臓が高鳴っていく。


……居る。近づいてる。


気配がする。おそらく、この突き当たり。


拓馬も、鋭い表情をしていた。


ルイと同じで、気配を感じ取っているのだろう。


ここまでのオーラを発するモンスター……本当に、敵うだろうか。


ギシギシと廊下を歩いていた、そのときだった。


突如、左の襖がゆっくりと開いた。


そこに現れた人物に、ルイは凍りついた。


「誰ですか?」


何だか懐かしく、透き通るように美しい声で問いかけてくる人物。


長い青色の髪。年は、ルイや拓馬と同じくらいだろうか。


キレイな顔立ちをして紫色の着物を身に纏った女性が立っていた。


間違いない……マーダーだ。


「拓馬!構えろ!」


ルイは叫ぶと、剣を構えた。


「お、おい、何がどうなってんだ?」


状況をつかみ切れていない様子の拓馬。


無理もない。そういえば、容姿を説明していなかった。


魔獣と聞けば、誰だって獣を想像するはずだ。