ここで、ホーリーレインを撃つわけにはいかない。


ルイにも当たってしまう。


最悪の場合、ルイに当たってルカは避けることも有り得る。


そんなことを考えていると、再びルイがルカに魔法を放つ。


しかしまたしてもリフレクトで返され、その魔法が拓馬目掛けて飛んできた。


「うわっ!」


間一髪で避ける拓馬。次に当たったら、意識が飛びそうだ。今でさえ、火傷の痛みで集中できない。


ザン!


そのときだった。


ルイが、ルカの剣を喰らってしまった。


胸部を切り裂かれたルイは、派手に血を噴出してバタリと大の字に倒れた。


「お、おい、ルイ……」


震えた声で呼びかける拓馬。


正直、二人で戦えば何とかなるものだとばかり思っていた。


ルカが、これほどまでに強いとは……。


倒れたルイは、ピクピクと全身を痙攣させていた。


ヤバイ……死んでしまう……。


心臓が早くなってくる拓馬。


人の心配をしている場合でもない。このままでは、殺されてしまう。


ルカはルイにトドメをささず、今度は拓馬に向かって剣を構えた。


ドキッとする拓馬。


ヤバイ、ヤバイ!


「ライトニング!ライトニング!」


魔法を連打する拓馬。しかし、ルカはそれを全てかわした。


光の弾が、建物に、木に、電灯に、壁に、地面に次々と爆発する。


どうすればいい……。