現実RPG2

「何だ?」


ルイもボソボソと答えた。


「お前が本当に俺の味方だって言うのなら……証明してくれ」


「証明?」


「ルカを、倒すだけだ。殺すな」


「え?」


「まだ、ルカが敵だと決定したわけじゃねぇ。ここで判断を間違えてルカを殺した後、お前が敵だったら俺は終わりだ」


こんな壮大なゲームを造るような組織だ。どこに罠があるか、わからない。


本当は味方かもしれないルカを殺してしまうのは、かなり危険だ。


殺すのは、ルイが味方だと確定できること……つまり、マーダーを倒してゲームがクリアできたら、その後にでも殺せばいい。


「拓馬がそう言うなら、わかったけど……肝に銘じておけよ。今回ルカを倒せても、また倒せるとは限らない」


「わかってる」


会話が終わると、ルイ、拓馬も構えた。


状況を把握していないクロは、この非常時に拓馬の足に懐いている。


「コラ、クロ……あっち行ってろ」


ボソボソと呼びかけている隙に、ルイが先制攻撃に出た。


「行くぞ、ルカ!」


キン!


ルイとルカの剣が交わる。


ルイの素早い剣先を、ルカがあっさりと止めた。


やはり、剣だけではルカの方が強いということが見ただけでわかる。