ロシアンルーレット【コミカルアクション】

 兄貴は受話器を受け取ると、相手が想像した相手だったらしく、少しも驚いた様子を見せず静かに相手の言葉に聞き入った。


「ここは押さえた。キーは回させない。」


 兄貴が受話器越しに、そう宣言すると、相手はまた何か言ったようだ。


「こっちも応援を呼んだ。」


 相手の言葉に対してそう言い返しながらも、兄貴は何かに気付いたように入り口に視線をやり、途端、その顔を強張らせた。


 受話器が、兄貴の右手に握られたまま、ゆっくりと力なく降下していく。


 俺も兄貴の視線の先を振り返った。