ロシアンルーレット【コミカルアクション】



「上からの指令を伝える。任務は今から向かう施設の封鎖とその関係者の一斉検挙だ。施設には現在約15人がいると思われる。出入り口は一つ。俺たちは全員そこから侵入し、三手に別れて任務を遂行する。容疑者射殺は止むを得ない場合のみ許可する。」


 目的地へ向かう車中で、兄貴はツラツラと涼しい顔で言った。


「えらく情報少ねーなぁ。しかも任務もやらたと曖昧だ。俺たちに、自分の判断で自由に動けってことか?」


 タバコをくれた男が、兄貴に向かって不満げに訴えた。


「施設内の情報は、はっきり言ってゼロだ。蔦山も出入りは許されているものの、一度も足を運んだことはない。ただ一つだけ言えることは、今現在、技術者達が、入手した核弾頭か何かをミサイルに詰め込んでいる最中だということだけだ。」


 兄貴が不必要なくらい丁寧に答える。


 兄貴への口の利き方といい、このタバコをくれた男、何者なんだ?