ロシアンルーレット【コミカルアクション】

「何よ?」


 ただでさえ仲間から遅れをとり、必死に追い付こうとしていたところを邪魔されて、女は振り向きざまキレ気味に言った。


「俺も連れて行け。」


「無理よ。そんなこと龍が絶対に認めない。」


 女は溜め息混じりにそう言った。


「だいたい、あんたまでここを離れたら、誰がノアちゃん守るのよ!?」


 女は蔑むように俺を見て、呆れたように言った。


「あんたが残れよ。」


「正気?皆人。あなたに私の代わりが勤まるとは思えないけど!?」


「兄貴もびっくりの活躍ぶり見せてやるさ。」


 ちょっと誇らしげにそう言ってみたものの、鼻で笑ってあしらわれた。