蔦山さんを連れて、女の待つ車まで戻ると、すぐさま女は運転席から降り立った。
女は車の後部へ回り、トランクを開けた。
蔦山さんには後部座席に座ることすら許されないらしい。
女はパーカーのポケットからジャラリと手錠を取り出し、蔦山さんの手を後ろ手に拘束した。
それから、蔦山さんの服のポケットにくまなく、無遠慮に手を突っ込み、携帯を見つけるとそれを取り出して背後に放った。
女は無言のまま顎でトランクを指し、蔦山さんにその中へ入るよう促す。
蔦山さんはトランクの中を見て、ほんの少し動揺を見せ、何か物言いたげに再び女を見た。
俺は不思議に思って蔦山さんのすぐ横まで行き、トランクの中を覗きこんだ。



