ロシアンルーレット【コミカルアクション】

『1時間よ。』


 俺と目が合うと、女は口パクでそう言った。


「1時間ぐらいで着きます、多分。」


『わかった。何かいるもんとかあったら言え。』


 蔦山さんは明らかに時間を稼ごうとしている。


「何もないです。じゃぁ…」


 と一方的に電話を切った。


「何?今の…?フニャフニャした事ばっか言っちゃって。あんたホントに蔦山捕獲できんの?お願いだから、私に無駄な労力使わせないでよね。」


 俺が電話を切るなり待っていたとばかりに、女が捲くし立てた。


「協力してくんねーのかよ!?」


「はぁ?面倒はゴメンだわ。失敗するとよんだら、私は容赦なく見捨てるから。」


 女は冷ややかに言った。