「これ…かっこ悪くないか?」
謎の女の運転する車の助手席に座り、シーンズの膝下部分を両手で掴んで、裾を捲くり上げて俺は愚痴った。
囚人服じゃ目立つからと兄貴が差し出した服は、兄貴の私物らしく俺のサイズに合わない。
伸び伸び育った俺は、兄貴より10cm近くデカい。
立っていても踝が出るほど、兄貴のジーンズは丈が短かった。
「今、この状況で、お洒落さんである必要がどこにあるの?」
女は横目でチラリと俺を見やると、小バカにしたように鼻で笑った。
「あんた、ムカつくよ。」
そう言って、俺は上体を後方に倒し、背もたれにゆったりともたれかかった。



