ロシアンルーレット【コミカルアクション】

 谷口は窓から左手を差し込むと、その男の頭髪を乱暴に鷲掴み、再び窓の外へ男の頭部を引っ張り出した。


「お前…、公務執行妨害でしょっぴいてやろうか?」


 低い声で静かに言う。


「て…てめぇ、デカかよ?」


 痛む頭部に顔をしかめながらも、男はまだ強がりをやめない。


「だったら何だ?」


「わ…わかったよ。良く考えりゃ俺がバックすりゃあ済む話だよな。もう行くからその手離せよ。」


 先ほどとは打って変わって、機嫌をとるような猫なで声で男は譲歩した。