ロシアンルーレット【コミカルアクション】

「それに勘付いた安永事務次官が、口を封じるべく消された訳か。あの生き残りの娘、可哀想になぁ…。一晩で両親と弟…家族全員失って。瀕死の状態で発見されて一命は取り留めたものの、彼女にとってそれが幸運だったのか、不幸だったのか…。ああ、クソッ!」


 突然、尾行中のトラックと睦月達の乗るセダンの間に、似たような大型トラックが割り込んだ。


「バカヤロー!!べらべらとくだらねーおしゃべり続けてるからだ!」


 ものすごい剣幕で怒鳴りつける谷口に、


「すみません…」


 睦月は申し訳なさそうに小声で謝罪した。


「アレ見失ったら龍、怒り狂うぞ。お前半殺しじゃ済まねーだろうな。」


 睦月も、普段物静かな龍一が激怒する様子を想像して、とてつもない恐怖に身震いする。


 赤信号に引っ掛かったらしく、前方のトラックがブレーキランプを点滅させて減速した。


 睦月もそれに付き従い減速し、車線内右一杯に寄せて車を停車させた。