ロシアンルーレット【ｺﾐｶﾙｱｸｼｮﾝ】

　兄貴はすぐさま、携帯を取り出して素早くボタンを操作し、耳に当てた。


　そして、部屋のドアは音をたてて閉まり、兄貴達は俺の視界から消えた。


　俺はようやくノアから離れ、足音を立てないようにドアのすぐ傍まで行き、聞き耳を立てた。


　何が起こったのか、さっぱり見当がつかなかったが、兄貴の取り乱しようは、尋常じゃない。


　どうしようもなく気になった。


　ドア越しに、兄貴の怒鳴り声が聞こえてきた。


「もう、俺達だけじゃどうにもならない。すぐに公にして、対策本部を設置すべきだ。」


　電話の相手に、必死で何か訴えているようだ。