ロシアンルーレット【コミカルアクション】

 こんなイイ女が傍にいるなら、兄貴の溜まってるもん、彼女で発散すりゃいいだろ!?などと下世話なこと考えてると、


「今、谷口くんから連絡あって、例の物が入国したって。」


 深刻な面持ちで女は言った。


 兄貴の表情が一変した。


 苛立ちをおもむろに顔に出し、


「何故止めなかった?」


 怒りのこもったキツイ口調で、彼女を責め立てた。


「護衛に、港支部の自衛隊、総動員だって。それをたった数人で阻止するなんて、いくらなんでも無理よ。」


 女も負けじと言い返す。


 綺麗な女は気が強い。