ロシアンルーレット【コミカルアクション】

 待ってる間、レジの横のカウンターで赤メガネが電卓を叩きながら、チラチラこちらを見ていた。


 俺はそんな赤メガネが気になったが、好奇の目は気にしないことにし、彼女に視線をやった。


 彼女は相変わらず、楽しそうに花を選んでいる。


 花屋の仕事が天職のようだ。


 花畑の中で花を摘む少女のような彼女は、とても綺麗で思わず見とれた。


 そんな放心状態の俺に彼女は時々、『これはどお?』とでも聞くように、手に取った花を俺に向かってかざしてみせたりする。


 そのたびに俺が我に返り、うん、と頷くと、彼女は満足そうに微笑み、また花畑を彷徨った。


 そうして彼女が集めた花束には綺麗に透明フィルムが巻かれ、可愛らしい大きなリボンがかけられた。


 彼女は完成したそれを、俺に手渡した。


 それはまるで彼女の分身のようで、花一輪一輪が彼女のように微笑んでいた。


 俺は一旦受け取った花束を、彼女の胸にそっと戻した。


 またあのキョトン顔で見詰める彼女に俺は


「受けとってくれ。」


 と言った。