ロシアンルーレット【コミカルアクション】

 俺はしばらく彼女を見詰めていた。


 花を選ぶのを楽しんでいると、その表情でわかる。


 『花が好きなんだよな』なんて、心の中で彼女に話しかけてみたりする俺。


 ガラスを隔ててすぐ目の前の花を取りに来た彼女は、ようやく俺の存在に気付いた。


 彼女は俺に惜しみなく微笑みかけた。


 俺はまた身体の芯部が温まるのを感じ、その心地よさに戸惑った。


 しかも、何だか顔が熱い。


 俺も微笑み返したかったがそれができず、彼女に向かって手を振った。


 彼女は右手に取った花数本を、左手の花束に足して、その空いた右手を俺に向かって振った。







 たったそれだけのこと。






 そんな些細なやり取りに、俺の心は癒され、まるで浄化されるような錯覚さえ覚えた。


 給料下ろして、まず最初にやることが確定した瞬間だった。