「―――い、おい!」



誰かに呼ばれる。


クソうぜえ・・・誰だよ・・・?


「ああん?」


ぼやける視界。


ゆっくりと目を開く。


「おい、いつまで寝てんだよ」


・・・ああ。


「また他中の奴らが来たってよ!早くボコろうぜ!行くぞ」


そう言って奴はあたしに鉄パイプを投げる。


鉄パイプを肩に担いで歩き出し、あたしは呟いた。

「・・・・・・アリス」


「は?」


前方の奴がこっちに振り向く。


「アリスになった」


夜の空を見上げながらポツリと言った。


「分けわかんねえ。・・・走るぞ!」


「ふっ・・・」


ほのかに笑って、あたしは走り出す。


目指すはトランプの兵隊ども。



・・・・・・ってところか?



-END-