女王は1つだけぬり残したバラを見つけてかんかんに怒りました。
そして、
「そこの娘!こいつらの首を切ってこい!」
とアリスに命じました。
「は?クソばばあ、何言ってんの?ここ、大丈夫?」
アリスは自分の頭を指さして言いました。
すると女王は家来に命令して、アリスに刀を向けて殺そうとしました。
さすがにどうしようもないので、アリスはしぶしぶと女王様の命令を聞きました。
刀を受け取るとこかげに行き、トランプの職人をかくし、変わりに赤いペンキをべっとりと刀にぬりつけました。
別にトランプの職人を助けたかったわけではありません。
素直に女王様の命令を聞くのがしゃくだったのです。
女王様のところに戻ると、ペンキのついた刀を見せて、
「はーい、女王様ー。やっつけてきましたー」
と気だるげに報告をした。
女王様はかんたんにだますことができました。
「ふん、ちょろいんだよ。このクソばばあ」
アリスは小さく吐き捨てた後、女王に帰り道をたずねました。



