ぼうしやと三月うさぎは、恐怖にふるえて何も言いませんでした。
「チッ!クソが」
アリスはもうどうしようもないと思い、この場を後にしました。
そして後ろから、
「遠慮しないでもっと飲めばいいのに・・・」
という残念そうな声が聞こえました。
アリスは、あの時チェシャねこが言っていたことを理解しました。
さらに歩いていくと、トランプの職人が白いバラの花をペンキで赤くぬっていました。
アリスが、
「お前ら何やってんの?」
とたずねると、トランプの職人が答えます。
「女王様は、白いバラが嫌いです。間もなくここをとおるので、見つかったら首を跳ね飛ばされるのです」
アリスは呟きました。
「何、その自己中なおばさん。一発なぐったら気持ちいいだろうな」
その時、ラッパの音がひびいて、女王の行列がやってきました。
職人はあわてます。



