気付いたときには傘を片手に走りだしていた。 もうすぐ、 もうすぐあの子のところに着く。 まだ居るだろうか。 そんな思いを胸に。 そして。 あの子はまだ居た。 そっと声をかけてみる。 「ねぇ・・・何・・してんの?」 傘を差し出しながら 自分ではかなりやさしめに言ったつもり。